セツ・モードセミナーのこと
























この春、セツ・モードセミナーが閉校になるというニュースは
いろんなところで記事になっていたからご存知の方も多いかも知れません。


セツ・モードセミナー” は1954年に長沢節により開設された美術とファッションの学校です。
1965年に新宿区舟町のすてきな校舎を新築、移転して、
この春までそこでたくさんの生徒が学んできました。


わたしもその生徒のうちの一人。


卒業してからもうずいぶんと年月が経ってしまったけれど、
母校が無くなってしまうというのは、なんとも切ない気持ちになるのだなぁ
って、今回初めて知りました。


母校といっても、もともと学校とか集団生活がニガテなわたしなので、
もしもかつて通っていた小学校や中学校や高校がなくなったとしても大した感情も湧かないと思うのです。
でも、セツは別。
セツは学校だけれど、わたしにとっては初めて自分らしくのびのびと楽しめた学校だったのです。
絵を描いてあんなに褒めてもらえたのも、セツが初めてでした。
ほんとうに学校らしくない、特別な学校でした。


そんな思い出がたくさん詰まった校舎を、最後に、もういちど見ておかなくちゃ・・・
そう思っていた矢先、セツの先輩イラストレーターSさんにお声をかけて頂いて
卒業生の3人(といっても在学していた時期は皆バラバラです)で閉校前の母校を訪ねました。


ひさしぶりに入った校舎は、
やっぱり期待を裏切らないあいかわらず素敵な空間で、わたしの大好きな場所のままで。
よく友人たちとお喋りしたりお昼を食べたロビーや中庭もほとんど変わらないままでした。
昔はゼラニウムの鉢がたくさん並んでいたけれど、
今はチューリップやアネモネの花がなんともドリーミィに咲き乱れていました。
ブランコがなくなっていたのはちょっと寂しかったけれど、
訪れたときはちょうど桜が満開を過ぎたころで、ハラハラと花びらが舞い落ちるさまが美しく、
ここが新宿?っていっしゅん思ってしまうほど、、、
そこには独特の時間が流れていました。



10代の終わりから20代前半にかけて、週に3日セツに通う日々のなかで、
絵のことはもちろん、、色彩のこと、フランスでのこと、映画のこと、愛、自由ということ、美しさについて・・・
ほんとうに様々なことを教わった気がします。
当時はわからなかったけれど、ずいぶん後になってから、
「セツ先生が言っていたのはこういうことだったのかー」
と気づくこともあったりします。



閉校してしまうのは寂しいけれど、
人生のひとときをこんなすてきなところで学べただけでも、
とても幸せなことだったなあと、しみじみ感じました。
そして、
ここで学んだ人たちの心のなかに、そっと大切な記憶として永くのこるのではないかと思います。




そんなセツ先生の展覧会がただいま弥生美術館で開催中(〜6月25日)です。

生誕100年 長沢 節 展 〜デッサンの名手、セツ・モードセミナーのカリスマ校長〜
詳しくはこちらから
http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/yayoi/exhibition/now.html